『呼吸の科学』本を読んでみて

普段からアドバイスの中で「呼吸」についてお話をしたり、施術でも呼吸法を取り入れたりしていますが、ここまで科学的な視点から深く学ぶ機会はなかなかありませんでした。
今回読んだこの本は、とにかく徹底して科学的に書かれています。
生理学を学んできた私でも、高校で学ぶような「化学」の内容がそこら中に散りばめられていてビックリ!
実は高校時代、化学で赤点を取るほど苦手だった私は(笑)、そこは迷わずさーっと読み進めることに。それでも、生理学と解剖学に関連する最低限の大切な内容は、しっかり学ばせていただきました!
今回のブログでは、その中から日常のヒントになりそうな部分をピックアップしてご紹介します。
かなりの長文(特大ボリューム!)になってしまいましたので、お忙しい方は「最初のトピック」や、記事の最後にある「💡今回のまとめ」だけでも十分日常に活かせる内容になっています!そこだけでも良いので、ぜひ目を通していただけると嬉しいです♪
もちろん、ご自身で「何となく理解できるな」と思うところだけでも良いので、気になる方はぜひじっくり読み進めて、参考にしてみてくださいね。
※もっと詳しく知りたい!という方は、ぜひ本を購入して学んでみてください!
※ちなみに、この記事には私が今まで学んできた知見も含まれているため、一部本には書いていない内容もありますので、ご了承ください。
ここからは、本題についてなるべく簡潔にお伝えしていきます!
1. 呼吸には「その人の人生」が反映されている
著者は本の中で、このように言っています。
「呼吸パターンを見れば、運動経験、精神的状態、あるいは性格まで分かりそう。呼吸にはその人の人生が反映されているといっても過言ではない」
これには私も納得です。
本書から紐解く「呼吸」の主要なトピック
• 1日の呼吸回数:人は毎日2万回以上も呼吸をしています。
• 酸素のゆくえ:実は、吸った酸素の7割以上は使われずにそのまま戻ってきています。
• 呼吸の仕組み:肺自体が動いているのではなく、周りの筋肉(呼吸筋)が働くことで受動的に行われています。
• 心臓との連動:呼吸のリズムは、心拍数にも大きな影響を与えています。
• 心身への影響:呼吸は、私たちの「こころ」や「身体」の状態と深く結びついています。
• セルフコントロール:自律神経に関わる機能の中で、呼吸は唯一「意識的にコントロールできる」ものです。
呼吸の役割と仕組み(呼吸と循環)
一般的に、酸素を体内に取り込んで二酸化炭素を外に排出する活動を【呼吸】といいます。そして、心臓や血管を使って血液を介し、酸素・二酸化炭素・栄養素を体内の組織へ運ぶことを【循環】といいます。
呼吸の役割は、細かく分けると以下の通りです。
• 換気(外呼吸):外界と肺(肺胞)との間で空気を出入りさせる活動です。「吸気(吸う)」と「呼気(吐く)」があります。
• ガス交換:肺胞と、それを囲む毛細血管との間で、酸素と二酸化炭素の入れ替えを行います。
• 細胞でのガス交換(内呼吸):毛細血管と全身の細胞との間でもガス交換が行われています。これには呼吸器(肺)は必要ありません。
肺胞と毛細血管での「拡散スピード」
酸素と二酸化炭素の濃度差(ガス分圧)がある場合、驚くべきスピードでガスが移動(拡散)します。
• 安静時:約0.8秒で拡散
• 運動時など:約0.25秒で拡散
ここでポイントになるのが、液体(水や血液)への溶け込みやすさ(溶解度)です。
実は、二酸化炭素は酸素よりも25倍も液体に溶け込みやすいという性質があります。
物理的に酸素は血液に溶け込みにくいため、酸素を運ぶ「ヘモグロビン」の量が重要になります。ヘモグロビン量が多いほど、結合できる酸素の量が増え、体内に拡散できる量も増えるのです。
運動をすると血流量が増えるため、肺を通過するヘモグロビン量も必然的に増えます。その分、たくさんの酸素を運べますが、心臓にはそれなりの負担が掛かるということでもあります。
2. 呼吸に絶対必要なのは「周りの筋肉」!
実は、肺や肺胞自体には筋肉がありません。そのため、肺が自力で大きくなったり縮んだりすることはできないのです。
そこで大活躍するのが、肺の周りにある筋肉たち(呼吸筋)です(もちろん、脳神経や運動神経も深く関わっています)。
具体的には、肋骨を動かす「外肋間筋(がいろっかんきん)」や「内肋間筋(ないろっかんきん)」、あるいは「横隔膜(おうかくまく)」。さらに、背中、肩、首周りの筋肉や、腹筋まで使われています。
これらが連動して胸の中の圧力を調整し、肺を風船のように広げたり縮めたりすることで、私たちは呼吸ができているのです。
ちなみに、横隔膜は焼肉でいう「ハラミ」、肋間筋は「カルビ」にあたります。ここ最近の私は、焼肉に行くとカルビは少量にして、もっぱらハラミ派になっています(笑)。
「横隔膜」のすさまじい働き
肋骨の下についている横隔膜は、本当にすごい働きをします。
なんと、1回の呼吸で300〜360㎖もの空気を取り込むことができるそうです。
成人がリラックスしている時の1回の吸気量は約400〜500㎖なので、実に全体の70%以上を横隔膜だけでまかなっていることになります。ハラミ、優秀すぎますね!
ちなみに、もう一つの主役である「外肋間筋」は、普段の吸気では30%ほどの働き。こちらは持久力に優れた「遅筋(ちきん)」の割合が60%と横隔膜よりも高く、とてもタフな筋肉です。
なお、激しい運動をする時には、首周りにある「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」や「斜角筋(しゃかくきん)」が重要なサポート役として働き、胸の大胸筋や背中の脊柱起立筋なども動員されます。
知っておきたい「筋肉の繊維」の種類
筋肉の繊維は、大きく分けて3つのタイプがあります(人種による差もあります)。
• 速筋繊維(白っぽい肉:約25%):短距離選手のような筋肉で、爆発的な力が出せますが持久力がありません。
• 遅筋繊維(赤っぽい肉:約50%):「ミオグロビン」という酸素を蓄える物質が豊富で、圧倒的な持久力があります。
• 中間筋繊維(ピンクっぽい肉:約25%):速筋のパワーを持ちながら、トレーニング次第で持久力も高められるハイブリッドな筋肉です。
これらは遺伝で割合が決まっているとも言われますが、トレーニングによって速筋を中間筋へと変えることは可能なのだそうです。
これを横隔膜にあてはめると、持久性のある要素(遅筋+中間筋)が75%もあり、同時に瞬発的な要素(速筋+中間筋)も50%備わっていることになります。私たち人間も含め、生き物は日常の中でこれらを器用に使い分けているんですね。
年齢とともに弱りやすいのはどっち?
不思議なことに、息を「吐く筋肉」よりも、「吸う筋肉(吸気筋)」の方が年齢とともに筋力低下しやすいそうです。
胸郭周りの施術をする理由は、そういった理由もあります。
ところで、呼吸といえば、ちょっと不思議な話がありますよね。
人は亡くなる時に「息を吸い込んで(引き取って)」旅立ち、生まれる時には「オギャー!」と「息を吐きながら」泣いて生まれてきます。
息を吸い込んでグッとこらえると身体は緊張して固まりますが、この生と死の呼吸の対比には、何か深い意味があるような気がしてなりません。
呼吸筋が消費するエネルギーの凄さ
普段リラックスしている時、呼吸筋が使うエネルギー(酸素消費量)は体全体の3〜5%ほどです。
しかし、最大出力を出すような運動時には、なんと10〜15%にまで跳ね上がります。さらに、心臓から送り出される血液(最大心拍出量)の15%が呼吸筋へと集中するそうです。
このデータからも、呼吸がどれだけ生命活動において重要で、エネルギーを使うものかがよく分かります。
呼吸筋は鍛えられるのか?
結論から言うと、しっかり鍛えられます!
世の中には少し危険な鍛え方もあるようですが(そこは割愛しますね)、呼吸単体のトレーニングを行うよりも、ランニングなどの持久的な運動とセットで行う方がより高い効果が期待できるようです。
これには私も大同感です。呼吸も一種の全身運動ですし、身体の動きと連動させることで、呼吸のリズムや深さも自然と磨かれていきます。本の中には、トレーニングによる「自信」や「慣れ」といったメンタル面も影響すると書かれていました。(同感)
さらに、運動によるトレーニングは「心臓(心拍出量)」と「呼吸筋」を同時に鍛えられるので、まさに一石二鳥ですね!
普段の呼吸には、まだまだ「余力」がある
私たちは、意識すればいくらでも深い呼吸ができます。
しかし実際の臨床(当院での施術)現場では、ストレスや緊張のせいで呼吸が浅くなり、本来のパフォーマンスを発揮できていない方を本当に多く見かけます。
気道の中に「死腔(しくう)」と呼ばれる、ガス交換に使われない空気のスペースがあります。呼吸が浅くなってしまうと、この死腔のせいで実際に肺まで届く有効な換気量がガクンと減ってしまうのです。だからこそ、普段からの呼吸の意識がとても大切になります。
3. 結局、どのような呼吸が良いのか?
結論から言うと、「早い呼吸」よりも「ゆっくりとした呼吸」の方が体に優しいです。
ゆっくり呼吸をする方が、実は1分間あたりのトータルの換気量は少なくて済みます。その結果、呼吸筋を動かすエネルギーが節約できるため、呼吸筋自体が消費する酸素も減り、体全体の酸素摂取量も少なくて済む(=省エネで効率が良い)というわけです。
ヘモグロビンと「酸素飽和度」の知られざる関係
血液の中で酸素を運んでくれるのが、赤血球にある「ヘモグロビン」です。ヘモグロビンは、鉄を多く含む「ヘム」と、タンパク質である「グロビン」が結合してできています。
実は、体内のヘモグロビンが酸素と100%完全に結合することはほとんどありません。また、ヘモグロビンの量には個人差があります。
このヘモグロビンが一定量以下に減ってしまった状態が「貧血」ですが、持久力トレーニングを積むことで、ある程度は量を増やすことができるそうです。
ただし注意したいのが、過度なトレーニングによる大量の発汗で鉄などのミネラルが失われると、「スポーツ貧血」を引き起こす原因になること。そのため、日頃のコンディショニングや栄養管理がとても重要になってきます。
ちなみに、アスリートが行う「高所トレーニング」は、酸素が薄い環境を利用して造血ホルモン(エリスロポエチン)の分泌を促す有名な方法です。
一方で、遺伝子組み換え製剤を投与したり、あらかじめ保存しておいた自分の血液を後から体内に戻したりする不正なドーピング方法もあります。これらは赤血球が増えすぎると血液がドロドロになり、血栓(血の塊)ができやすくなる命に関わる危険な行為であるため、当然ながら厳しく禁止されています。
運動をしても「酸素飽和度」はさほど変わらない?
一般的なパルスオキシメーターなどで測る酸素飽和度は、正常値が「96〜99%」とされています。
中強度の運動を始めると、2〜3分で「96〜97%」程度までわずかに低下し、呼吸は苦しくなるものの、数値自体の変化はそれほど劇的ではないようです。
限界近くまで追い込んで「92%」まで急激に低下した場合でも、運動をやめれば速やかに「95%以上」の安全圏に戻ります。驚くべきことに、プロのアスリートの中には一時的に「70%」まで下がっても運動を続けられる人もいるそうです。
なお、「酸素は体に良いから」と高濃度(50%以上)の酸素を過剰に吸引すると、体内で「活性酸素」が増加し、かえって体に有害な影響を及ぼすリスクがあるため注意が必要です。
「静脈血」にも、実はたっぷり酸素が残っている
私たちは酸素を吸って二酸化炭素を吐き出していますが、実は心臓に戻ってくる血液(静脈血)の酸素飽和度を調べると、まだ「75%」も酸素が残っています。つまり、体は動脈血が運んってきた酸素の「25%」しか使っていないのです。
言い換えれば、肺からはまだ使われていない4分の3の酸素がそのまま外に吐き出されており、ヘモグロビンからは毎回25%ずつ効率よく吸収されていることになります。人間の体って、うまく余裕を持たせて作られていますね。
体内の酸素貯蔵庫「ミオグロビン」
筋肉の中には、「ミオグロビン」という、ヘモグロビンによく似たヘム鉄を含むタンパク質が存在します。これがいわゆる「赤身肉」の赤さのもとです。
ミオグロビンは骨格筋や心筋の中にいて、代謝に必要な時まで酸素を蓄えておく「貯蔵庫」のような役割を持っています。ヘモグロビンからの酸素供給が追いつかないピンチの時に活躍し、毛細血管から細胞のエネルギー工場である「ミトコンドリア」まで酸素を運んでくれます。
クジラやイルカの筋肉にはこのミオグロビンが豊富にあるため、長時間の潜水が可能です。しかし残念ながら、人間にはもともと少なく、トレーニングで増やすこともできないとされています。
また、ミオグロビンの酸素結合は常に100%なので、たくさん呼吸をしたからといってこれ以上酸素を貯めることはできません。そのため、ピンチの時に人間は「心拍数を上げる」「呼吸数を増やす」という方法で酸素不足を補うのです。
低気圧が体に及ぼす影響とは?
気圧が下がると、空気の絶対量が減り、濃度が薄くて「軽い空気」になります。地上にある空気が軽くなると上空へと駆け上がり、空気に含まれる水蒸気が冷やされて雲になります。これが低気圧(雨や曇り)が起こる現象です。
この低気圧が私たちの身体に及ぼす影響を紐解くと、以下のようなことが起こっています。
• 息切れやだるさ:酸素の絶対量が減るため、体にスパイスが足りなくなり、疲れやすくなります。
• むくみや喘息の悪化:低気圧になると「副交感神経(リラックスモード)」が優位になります。交感神経が働くと気道や血管が広がるのですが、副交感神経が優位になりすぎると気道が狭くなったり、血管が緩んで水分がしみ出したりして、むくみや喘息が出やすくなります。
• 頭痛や眠気:日頃からストレスなどで「交感神経優位(緊張モード)」が続いている人は、急なリラックスモードへの切り替えに対応できず強い眠気が出たり、血管の柔軟性が低下している場合では急激な血管の弛緩と緊張変化についていけず、頭痛が引き起こされたりします。
脂肪を燃やすには、やっぱり「有酸素運動」
呼吸とエネルギー(ダイエット)の関係を、車の燃費に例えて分かりやすく説明してみます。
• 燃費「リッター2km」の身体の使い方(無酸素系):主に体内の「糖分」をガソリンとしてガツガツ消費します。
• 燃費「リッター36km」の身体の使い方(有酸素系):酸素をしっかり取り込み、「脂肪」や「水」を効率よくエネルギーに変えて、長く動くことができます。
だからこそ、ダイエットには「有酸素運動が効果的ですよ」と言われるのです。
ちなみに、内臓の燃費はさらに良くて「リッター38km」と言われています。もし普段から「糖質過多(炭水化物や甘いものの摂りすぎ)」の生活を送っている人は、この有酸素系のシステムがうまく回らず、内臓の働き自体も低下してしまっているかもしれません。
また、私たちの「脳」や「神経」も、この有酸素系のエネルギーをフル活用して動いています。脳の集中力を維持するためにも、しっかり酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出する「正しい呼吸」がとても大切なのです。
熱エネルギーの豆知識(1gあたり)
有酸素系エネルギーとして体内で代謝(分解)されるとき、栄養素によって以下のような違いがあります。
• 糖質(4kcal):最終的に「二酸化炭素」と「水」に綺麗に分解される
• 脂質(9kcal):最終的に「二酸化炭素」と「水」に綺麗に分解される
• タンパク質(4kcal):「尿中窒素」に分解されて排出される
余談ですが、タンパク質が分解されるプロセスを見ると、お肉の食べすぎなどが「痛風(尿酸値の上昇)」に関係してそうな気がしますね……!
4. 寝ていても自動的に呼吸ができるのはなぜ?
⭐結論:脳の神経が「完全オート」で働いてくれているからです。
⭐当院が「頸椎(首)」や「頭蓋骨」の施術にこだわる理由は、まさにこの呼吸中枢へのアプローチを加味しているからです。
私たちの脳内では、以下のようなルートで自動的に呼吸の命令が出されています。
• 【感情や環境によるルート】
大脳辺縁系(わくわく・イライラなどの情動呼吸) ➔ 橋(呼吸調節中枢・持続性呼吸中枢) ➔ 延髄中枢パターン発生器 ➔ 呼吸の促進・抑制命令 ➔ 呼吸筋が動く!
• 【体内のセンサーによるルート】
中枢化学受容器・肺伸展受容器 ➔ 延髄中枢パターン発生器 ➔ 主に横隔膜へ「息を吸え!」と命令 ➔ 呼吸筋が動く!
※専門的には、延髄にある「プレ・ベッツィンガー複合体」という場所が呼吸のリズムを作り出し、周辺の神経群(傍顔面神経群など)と連携しています。これらを総称して【呼吸中枢】と呼びます。
脳幹の一部である「橋(きょう)」から送られる持続的な指令のおかげで、呼吸が突然止まるのを防ぎ、深くゆったりとしたリズムを保つことができるのです。
呼吸が環境や心身の状況で変化する理由
⭐結論:体中の「感覚神経(センサー)」が瞬時に働いているからです。
運動した時、体温が上がった時、何かに驚いた時など、体は状況に合わせて呼吸を変えています。その代表的なセンサーをご紹介します。
• 肺伸展受容器(へーリング・ブロイウェル反射):気管支の筋肉にあるセンサーです。肺が膨らみすぎて破れてしまわないよう、「これ以上膨らんだら危険!」という手前で吸気ブレーキをかけ、息を吐き出させます。普段の何気ない呼吸リズムの調整にも一役買っています。
• 刺激受容器:気道にあり、ガス、煙、粉じんなどの刺激を感知します。これらが侵入するとスイッチが入り、激しく息を吐き出す「咳」や「気管支の収縮」を起こして、不要なものを外へ追い出します。
• C線維受容器(J受容器):肺の細胞の周りにある液体(間質液)が増えると刺激されます。肺のうっ血や水腫、肺炎などが起きたときに、このセンサーが働いて「浅く速い呼吸」をさせようとします。
危険を阻む「血液脳関門」と二酸化炭素の力
脳には、体に有害な物質を通さないための検問所【血液脳関門】があります。しかし、二酸化炭素や水素イオン(体が酸性に傾いた状態)は、この検問所をスイスイ通り抜けることができます。
そして、脳内のセンサー(中枢化学受容野)が「二酸化炭素が増えて、脳内が酸性に傾いてきたぞ!」と感知すると、すぐに呼吸中枢を刺激して、新鮮な酸素を取り込もうとします。
【超重要!】体を守る「末梢化学受容器」
首の上部にある「頸動脈小体(けいどうみゃくしょうたい)」や、心臓のすぐ上にある「大動脈小体」には、非常に優秀なセンサーが備わっています。
これらは大脳(意識)を経由せず、反射的(化学受容器反射)に働きます。酸素や二酸化炭素、水素イオンはもちろん、カリウムやドーパミンにまで反応し、体内の二酸化炭素分圧(40mmHg)やpH(7.4の弱アルカリ性)を常に一定に保つよう見張ってくれています。
「息が苦しい」の正体は、酸素不足ではなく二酸化炭素!
実は、人間の体は「酸素が減る」ことよりも「二酸化炭素が増える」ことに対して、はるかに敏感に反応します。
科学的な実験でも、息を止めたときに「苦しい!」と感じるのは、体内の酸素がなくなったからではなく、二酸化炭素の濃度が急上昇するからだということが分かっています。
面白いことに、この「低酸素」や「高二酸化炭素」に対する感受性は、トレーニングを積むことであえて鈍く(タフに)できるという報告があります。私自身も感覚的に「確かにそうだな」と体感しています。精神的な状態(情動)が呼吸に直結するのも、こうした神経の働きが科学的に証明されているからなのです。
「高酸素」の本当の効果と、酸素カプセルの凄さ
よくスポーツ選手などが高酸素を吸入していますが、実は安静時だと、普段の呼吸だけでもヘモグロビンは100%近く酸素と結びついています。そのため、高酸素を吸っても血液に余分に溶け込む酸素の量はごくわずかです。
では何が良いのかというと、「同じ量の酸素を取り込むのに、少ない換気量(少ない呼吸数)で済むため、呼吸筋を休ませることができる」という二次的な疲労軽減効果があるのです。ちなみに、実験によると「酸素水を飲む」行為は、長距離選手の持久力向上にはつながらないという結果が出ています。
※ただし、「高気圧酸素カプセル」は別物です!
適度な高気圧(1.3気圧)と高酸素(30〜40%)をかけることで、普段はヘモグロビンと結合できないような小さな「溶解型酸素」を、通常の約3倍も血液中に溶け込ませることができます。
これにより、ヘモグロビンが通れないような末梢の細かい毛細血管の先まで酸素が行き渡るため、炎症を抑え、筋肉痛や疲労感を劇的に低減させる効果が期待できるようです。
実は私の修業時代の治療院にもこれがありまして……お話を書いていたら、当院にもまた導入したくなってきました(笑)。
健康のためのジョギングを「長く続ける」コツ
これから走る習慣をつけたい方は、「息がハアハアする手前」と「ちょっとハアハアするくらい」の強度を交互に繰り返すのがおすすめです。
ある程度の強度で走り続けていると、次第に「ランナーズハイ」と呼ばれる心地よい高揚感や満足感に包まれます。これは脳内で、麻薬のような強い快感作用を持つ「βエンドルフィン」や「内因性カンナビノイド」といったホルモンが分泌されるためです。一種の幸せな中毒状態ですね(笑)。
運動を続けると(開始直後)、体内はどう変わる?
運動を始めたばかりの初期段階では、まだ体が酸素を上手に活用できないため、すぐに「乳酸」という疲労物質が溜まって足が重くなります。
しかし、コツコツとトレーニングを重ねていくと、体質が「酸素をフル活用できる有酸素モード」へと変化します。乳酸が溜まりにくいタフな体が出来上がり、楽に長い距離を走れる心地よいリズムが生まれるのです。
具体的には、以下のような素晴らしいメリットが体に現れます。
• 心肥大(心臓がたくましくなり、1回で送れる血液量が増える)
• 血管の拡張・弾力化(動脈硬化の予防)
• 毛細血管の数が増える
• 呼吸筋の発達
• 細胞内のエネルギー工場「ミトコンドリア」の数と活性がアップ
• 運動時の脂肪燃焼効率が上がり、体脂肪が減りやすくなる
おまけ:人間の体って不思議!「換気量」の面白い雑学
本の中に、運動や状況による「空気の換気量の増え方」の違いについて、面白いデータが載っていました。
• 起きている時よりも、睡眠中に(他人に)手足を動かされた時の方が換気量が増える
• 遅い運動よりも、テンポの速い運動の方が増える
• 脚を動かすよりも、腕を動かす方が換気量が必要になる
• 利き腕・利き脚よりも、使い慣れていない「非利き腕・非利き脚」を動かす方が増える
• 平常時よりも、筋肉痛や筋肉が損傷している時の方が増える
• (逆に、寝たきりなどで筋力が低下してしまうと、換気量は低下します)
普段使わない側を動かしたり、体が傷ついたりしている時ほど、修復やコントロールのためにたくさんの酸素(換気)が必要になるということですね。私たちの体は、本当に過不足なく、リアルタイムで完璧な調整を行っています。
5. 運動を始めてから「酸素が使われる」までのタイムラグ
運動をスタートして、体内で本格的に酸素が使われ始めるまでには、実は少し時間がかかります。
• 一般の方:約30秒
• 長距離選手:約20秒(立ち上がりが早い!)
もっと具体的には、呼吸や代謝が本当に「安定」するまでには2〜3分ほどかかります。その間のタイムラグを埋めるために、体は【解糖系エネルギー機構】(糖分を使い、すぐにバテやすいシステム)を必要とします。
この解糖系システムを使うと、疲労物質である「乳酸」が溜まります。この乳酸を再利用する能力が低い人は、運動後も疲労感が続いてしまうのです。
(※ちなみに、この酸素の活用能力は、高齢になってから始めても十分に向上していきます!)
筋肉を育てて「バテにくい体」にする
運動を続けると、筋肉内の毛細血管が発達します。すると、筋肉の中にある「クエン酸回路(エネルギーを作る工場)」が活発に回り出し、乳酸を分解・再利用できるようになります。
これにより、息が急激に上がってしまうライン(換気閾値)を引き上げることができるのです。
• 一般の方:最大能力の50〜60%で息が上がる
• 長距離選手:最大能力の70〜80%までタフに動ける
脳に伝わる前に、感覚神経が「フライング反射」している!
「筋肉が動いたから酸素をくれ!」という情報が大脳皮質(意識する脳)に伝わってから呼吸を調整していたら、20秒ほどかかってしまい、運動のスタートダッシュに間に合いません。
そこで私たちの体は、大脳へ情報を送る「通り道」の途中で、先に延髄(呼吸中枢)へ情報をショートカットして送り、一瞬で呼吸を調整するという素晴らしい仕組みを備えています。感覚神経のファインプレーですね。
「意識して呼吸する」だけで、脳の認知予防になる?
癌細胞が大量の糖分をエネルギー源として消費することを利用した科学的な実験があります。
そのデータによると、「ただ意識的に呼吸を行う(随意呼吸)」だけでも、実際に運動をしている時と同じように、脳、視床、大脳基底核、小脳などの血流が運動中・運動後ともに増加して活性化することが分かっています。
つまり、座ったままでも意識して深く呼吸をすることは、脳を運動させているのと同じ状態になり、認知症予防などにも良い影響を与えると考えられています。
運動と呼吸がリンクする「エントレインメント(同調)」
歩行、ランニング、自転車、ボート漕ぎなど、一定のリズムを繰り返す運動をしていると、「呼吸数やリズムが、運動のテンポに自然と引き込まれて一致する」という現象が起こります。これをエントレインメントといいます。
この同調は、運動のテンポが速い時ほど、よりはっきりと現れるのが特徴です。
科学的に紐解く「ヨガが心身に効果的な理由」
ヨガを行っている最中の体を科学的に実験すると、驚くべきデータが現れます。
※呼吸数:毎分1回での測定にて
• 換気量:毎分3.9ℓから2.7ℓへ低下
• 酸素摂取量:毎分230㎖から256㎖へ増加
• 心拍数:69拍から75拍に増加
• 動脈血の酸素分圧:95㎜Hgから76㎜Hgへ低下
• 二酸化炭素分圧:40㎜Hgから51㎜Hgへ増加(体が酸性に傾く)
• pH:7.39から7.32に低下
数値だけ見ると、完全に「低換気による酸素不足・二酸化炭素過多」の状態です。普通なら苦しくてハアハア息が上がるはずなのに、ヨガ中のお体はビクともしません。これは長距離選手と同じように、脳のセンサー(化学受容器反射)の感受性が一時的に鈍くなっているためです。
つまり、無意識(不随意)に大脳へ送られる「苦しい!」という信号をうまくコントロールし、意識的(随意的)な呼吸指令を優位に立たせている状態。これこそが、ヨガの目指す「自分の意識を完全にコントロールできている状態」の科学的な正体と言えそうです。
副交感神経が優位になると、体はどう変わる?
意識的な深い呼吸によって気持ちが落ち着くと、科学的にも心拍数が下がり、血管がふわっと緩んで広がります。その結果、全体の血流量が増え、手足の先などの「末梢血流量」まで一気に良くなります。
最近よく耳にする「マインドフルネス」も、呼吸に100%集中して雑念を払うことで、このリラックス状態を意図的に作り出す、素晴らしい精神統一の方法なのです。
腹式呼吸がもたらす「幸せホルモン」と「脳のバリア」
大きくゆっくりと、特に「吐く息」を長く意識した鼻呼吸(腹式呼吸)をすると、脳内では以下のような素晴らしい神経伝達物質が分泌されます。
• セロトニン(幸せホルモン):興奮(ノルアドレナリン)や快楽(ドーパミン)が暴走しないようにブレーキをかけ、精神を安定させます。覚醒状態で適度な緊張感を与えてくれる、心のバランスを保つ主役です。日光を浴びたり、リズミカルな運動(呼吸も含む)で分泌が高まります。
• GABA(ギャバ):海馬や小脳などから分泌され、緊張やストレスを和らげて脳の興奮を鎮めてくれます。うつ状態の改善にも効果があると言われています。
※ちなみに、静的なヨガ(ゆったり動く)か、動的なヨガ(激しく動く)かによっても、これらの分泌バランスや効果は異なるようですね。
呼吸のタイミングで「発揮できる力」が変わる!
【息を吸う(吸気)】【息を吐く(呼気)】【息を止める(止息)】のどのタイミングかによって、人間の瞬発力や筋力は大きく変化します。
例えば、「ランプが光ったら即ジャンプする」という全身反応の実験において、【吸気後に息を止めた状態】を基準にすると、反応スピードは以下のように遅くなります。
• 息を吐いている最中(呼気中):3%遅くなる
• 息を吸っている最中(吸気中):5〜8%遅くなる
• 呼気後に息を止めた状態:5%遅くなる
つまり、「息をグッと吸い込んで止めた瞬間」が、人間が最も素早く、大きな力を出せるタイミングなのです。このタイミングでは、大きな筋力を5〜8%アップさせたり、一瞬のキレ(俊敏性)を20〜30%も高めたりすることが可能です。
これは、息を止めて「いきむ」ことでお腹の圧力(腹腔内圧)が高まって体幹がガチッと固定されることと、脳(大脳)が興奮状態になることが理由です。
「火事場の馬鹿力」の科学
人間は普段、全力を出しているつもりでも、関節や筋肉が壊れてしまわないように大脳が無意識にブレーキをかけています。これを「心理的限界」といい、普段は本来の力の7〜9割しか出ていません。
しかし、大脳が激しく興奮してこのブレーキが外れると(脱抑制)、自他ともに驚くような「火事場の馬鹿力」を発揮することができます。
スポーツの試合などで「シャーッ!」と大きな掛け声を出すのも、これを利用したものです。声を出すことで最大筋力が4〜8%もアップすることが分かっています。ここ一番で力を出したい時は、呼吸を味方につけて大脳のブレーキを外してあげることが大切ですね。
6. 気分や感情で呼吸が変わるメカニズム
私たちの「呼吸」は、その時々の気分や感情によって驚くほど形を変えます。
ここでいう「情動(じょうどう)」とは、怒り・恐怖・喜び・悲しみといった、一時的で急激な感情の動きのこと。一方の「気分」は、中長期的にじんわりと持続する、比較的弱い感情の波を指します。
(著者曰く)
この情動や本能、そして記憶を司る中心的な場所が、脳の【大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)】(帯状回、扁桃体、海馬など)です。特に情動の中枢は「扁桃体(へんとうたい)」が担っています。
外部からの刺激や、脳(大脳皮質前頭連合野)で認知した情報をきっかけに感情が動くと、大脳辺縁系から呼吸中枢へ「呼吸を早めろ!」あるいは「抑えろ!」という指令が飛びます。同時に、自律神経の中枢にも命令が送られるため、感情の変化に合わせて心拍数まで一緒に変わるのです。
ゆっくり呼吸をすると、本当に「頭がよくなる」?
私たちが記憶したり、判断したり、学習したりする「認知作業」には、多大なストレスがかかります。その結果、無意識のうちに呼吸数や換気量、心拍数が増え、浅く忙しない呼吸になりがちです。
しかし、意識して「ゆっくり長めの呼吸」を行うと、脳の【前頭前野(ぜんとうぜんや)】が活性化することが分かっています。
前頭前野は、集中力(注意機能)や意欲の持続、さらには物事を一時的に記憶して処理する「作業記憶(ワーキングメモリ)」に深く関わっているため、ゆっくりとした呼吸は、結果として脳のパフォーマンス(頭の回転)を高めてくれる可能性を大いに秘めているのです。
体をコントロールする「自律神経の中枢」
自律神経のコントロールタワーは、脳の「視床下部(ししょうかぶ)」を中心に、大脳皮質や大脳辺縁系、延髄などが複雑にネットワークを組む【中枢自律神経網】にあります。ここは私たちの本能、情動、知覚、運動と、お互いに強く影響し合っています。
• 交感神経(アクセルモード):心拍数や血圧を上げ、気管支を広げて呼吸をしやすくします。肝臓ではグリコーゲンや脂肪を分解して、戦うためのエネルギーを調達。さらに「アドレナリン(主に心臓に作用して心拍を上げる)」や「ノルアドレナリン(主に血管に作用して血圧を上げる)」を分泌させます。
• 副交感神経(ブレーキモード):エネルギーの無駄遣いを抑えるため、心拍数を下げて、胃や腸での消化活動を活発にします。この時の神経伝達物質は「アセチルコリン」です。ちなみに、副交感神経は脳から出る神経の分類で【迷走神経(めいそうしんけい)】と呼ばれるグループに含まれるため、よく同じような意味で表現されます。
多くの人にある「呼吸性不整脈」は、心臓の素晴らしい休息サイン
不整脈と聞くとギョッとするかもしれませんが、【呼吸性洞性不整脈(こきゅうせいどうせいふせいみゃく)】は、健康な人なら誰にでもあるごく自然な現象です。
心拍の揺らぎ(心拍変動)は自律神経や呼吸と密接にリンクしており、「息を吸う時に心拍が速くなり、吐く時に遅くなる」という特徴があります。
これは生理学的にも非常に理にかなった仕組みです。息を吸って肺胞にたくさん酸素を送り込んだタイミングで、心拍を上げて肺への血流を一気に増やし、効率よく酸素を全身に拡散させます。逆に、息を吐く時には心拍を落として心臓を休ませているのです。
そのため、この心拍の揺らぎ(呼吸性不整脈)は、「心臓がしっかりと休息できているかどうかのバロメーター」であるとも言われています。
呼吸で「免疫機能」は高まるのか?
私たちの免疫を支えているのは、血液中にいる白血球の仲間たち(マクロファージ、好中球などの顆粒球、リンパ球、そして少しの樹状細胞)です。彼らは実に素晴らしいチームワークで体を守っています。
1. 体内に異物(病原体)が入ると、マクロファージや樹状細胞がパクパクと食べ始め、その敵の特徴(情報)を周りに伝えます。(※樹状細胞はがん細胞に目印をつける役割もあります)
2. 顆粒球は大きな細菌などを豪快に食べて戦い、最後は自ら死滅して「膿(うみ)」となります。
3. それでも敵が収まらない場合、いよいよ精鋭部隊のリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)の出番です。ヘルパーT細胞が樹状細胞から敵の情報を受け取り、B細胞に伝達。同時に免疫全体を活性化する「サイトカイン」という信号物質を放出します。
4. 活性化された別のT細胞がウイルスに感染した細胞を退治し、B細胞は敵専用の「抗体」を作って動きを封じます。この一連の戦いを経て、免疫細胞の一部は「敵の特徴を記憶」するため、2回目に同じ敵が来たら一瞬で退治できるようになります。
しかし、ここに自律神経が大きく関わってきます。
ストレスなどで「交感神経」が優位になりすぎると、細菌に強いはずの顆粒球が過剰に増えてしまいます。増えすぎた顆粒球は体内で「活性酸素」を大量に発生させるため、かえって正常な細胞を傷つけ、細胞が癌(がん)化するリスクを高めてしまうのです。
さらに、慢性的なストレスによる交感神経の緊張は、リンパ球の動きを制限して戦いの場所へ行けなくしたり、樹状細胞の働きを抑えて敵の情報伝達をストップさせたりします。ストレスホルモン(コルチゾール)も分泌され免疫を弱めてしまいます。
一方で、「副交感神経」が優位(リラックス状態)になるとリンパ球が元気に増加し、体内の炎症反応を優しく抑えてくれる効果が発揮されます。また、よく「笑うと免疫が上がる」と言われますが、これも笑うことでがん細胞などを攻撃する「NK(ナチュラルキラー)細胞」が活性化されるからなのです。
💡 今回のまとめ(これだけは知っておきたい!)
全編を通して、本の知見と当院の臨床から導き出した「呼吸と健康」の超重要ポイントをまとめます!
🧠 脳と心のブレーキになる
深い呼吸によりセロトニンやGABAが分泌され、イライラや緊張が和らいで気分が安定します。大脳の前頭前野が刺激され、記憶力、判断力、認知機能の向上が期待できます。
🛡️ 病気に負けない免疫力を作る
自律神経のバランスが整うことで免疫機能が正しく働き、感染症やがんの予防に役立ちます。交感神経の暴走を抑えることが、正常な細胞を守る鍵です。
🫁 自力で動けない肺を、周りの筋肉が支えている
肺には筋肉がありません。焼肉でおなじみの「ハラミ(横隔膜)」や「カルビ(肋間筋)」、そして首や肩の筋肉がフル稼働して、風船のように肺を動かしています。だからこそ、この呼吸の通り道である「頸椎(首)」や「胸郭」、呼吸中枢がある「脳:頭蓋骨」を優しく整えてあげることが、全身のエネルギーを最大限に引き出す一番の近道なのです。
• 一番効果的なのは【運動】と組み合わせること
呼吸法だけでは届かない、心臓や血管の柔軟性アップ、筋肉・骨の強化、体力の底上げは運動によって成し遂げられます。運動でしか出ない脳内物質「βエンドルフィン」の恩恵も受けられますし、運動しながら頭を使う「二重課題(デュアルタスク)」は認知機能の向上にバツグンなようです!
• 日常で使える「呼吸のコツ」
1. 吐く息(呼気)を、吸う息(吸気)の倍以上の時間をかけてゆっくり吐く。
2. 息を吐くときは、口をすぼめながら優しく吐き出す。
3. 長時間やる必要はありません。3〜5分ほどでOK。
4. これを1日2回以上、日常のルーティンに取り入れる。
• 胸郭(きょうかく)のストレッチも忘れずに
肋骨周りを柔らかく広げるストレッチを組み合わせると、呼吸が劇的に楽になり、肩こりや首こりの予防にも繋がります。
• 呼吸を軽んじてはいけない理由
呼吸器の疾患は、ある一定の限界線を超えると急激に悪化し、一気に命の危険に直面することがあります。それほど呼吸は、生命維持の「絶対的な土台」なのです。
終わりに
どうでしたでしょうか。かなりの情報量となりましたが、果たしてここまで根気強く読んでくれた人はいるのでしょうか(笑)。
でも、全部を完璧に理解しなくても大丈夫です!
今ご紹介した「最後のまとめ」にあるような、本当に重要なエッセンスや簡単な呼吸のコツだけでも、十分に今日からの日常に活かせる内容が詰まっています。何か一つでもみなさんの健康のヒントになっていただけたら嬉しく思います♪
呼吸が変われば、自律神経が変わり、あなたの毎日がガラリと変わります。
「最近、息が浅いな」「疲れが取れないな」と感じたら、それは体からの大切なサイン。ぜひ当院で、心も体もパッと軽くなる「極上の呼吸」を取り戻すお手伝いをさせてくださいね!
長くなりましたが、これにて呼吸シリーズを終わりにさせていただきます。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!♪
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