産後骨盤矯正中のご質問をまとめてみました
施術中にご質問をいただきブログにしてみました。
(産後骨盤矯正&身体の回復施術)
筋肉ってあった方がいいのですか?
お話しする内容があり過ぎて私一瞬思考が止まりまして…。
そに人にとって何が必要かが問題で人によってお話の内容が変わるため、その時は簡潔なご説明をさせていただきました。
その後、でもやっぱりお話しする内容を少しまとめますので時間を下さい、とお伝えしたところです。
今回はその内容となっております。
対象者は女性に共通する内容ですが特に
・妊娠を希望している方
・妊婦さん
・産後の方
となります。
少し長くなると思いますがお読みいただけますでしょうか。
よろしくお願い致します。
筋肉について
筋肉は腱になり骨に繋がっていますので関節を固定、安定、歪ます、可動、血液循環、代謝機能、などの機能があり、他には身体の全身にあり姿勢を維持させる重要な役割など担っています。
今回の内容は特に骨盤を固定させているということが重要となります。
骨盤周りには大きな筋肉から小さい筋肉まであり、腰部、股関節、膝まで繋がっている筋肉もあります。
その中でも必ずチェックする筋肉は内転筋群、殿筋、股関節周囲筋です。
内転筋群の中では特に恥骨筋で恥骨の歪みの調整がしやすくなり、柔軟性を付けておくと出産時、産後の負担軽減になります。
ちなみに初回の施術ではちょっと痛がる人が多いです。
殿筋と股関節周囲筋は腰の状態にめっちゃ関係しますので必ずチェックします。
その他、細かく考えると足部、手部、頭部から繋がる筋肉もあり、経絡で考えても繋がりがあるため施術では重要なものとなります。
※詳細についてこのブログでは骨盤を主に他の組織(靱帯や内臓など)と共にまとめてご説明させていただきます。
靱帯について
今回は骨盤内と骨盤周りのお話に集中させていただきます。
ざっくり言うとほぼ固定、安定です。
主には卵巣提索、固有卵巣索、子宮円索、子宮仙骨靱帯、のご説明になります。
その他、仙骨周辺の靱帯、股関節の靱帯などとありますが、こちらは先にお伝えいたします。
仙骨周辺の靱帯(めっちゃあります)
棘間靭帯:骨盤の裏側
後仙腸靱帯(深部):同上
後仙腸靱帯(浅部):同上
浅仙尾靱帯:同上
仙結節靱帯:同上
仙棘靭帯:同上
腸腰靱帯:同上
などなど他にも
股関節の靱帯(強靭と言われます)
腸骨大腿靱帯:前面から上面
坐骨大腿靱帯:後面
恥骨大腿靱帯:前面
これら仙骨の靱帯と股関節の靱帯の緊張は骨盤や腰部痛などに大きく関係し、産前産後に影響してきます。
もちろん男女、妊娠、出産関係なく問題を起こす原因にもなります。
続いて
卵巣と子宮周りの靱帯のご説明です。
※卵巣と子宮は自立しているのではなく靱帯でつり下げられて安定しています。
また、子宮は重たい臓器なのでしっかりとした靱帯によって支えられています。
卵巣提索
卵巣の卵管端から腸骨側壁に張り、卵巣へ行く血管と神経と並走します。
卵巣提索が収縮すると卵巣に痛みを感じます。
固有卵巣索
短い結合組織筋性索で子宮底の外側角と卵巣の子宮端を結んでいます。
子宮円索
子宮角で卵管付着部の近くから始まり骨盤の内側壁に沿って走り鼠径管を通って大陰唇の皮下に終わっています。
ちなみに子宮円索は男性では精索に相当する組織です。
子宮仙骨靱帯
子宮頚部から膀胱にかけて始まり仙骨底部の外側に付着する靱帯で内部に尿管を通していることが特徴です。
子宮頚横靱帯(基靭帯)
子宮頚部と膣上部を覆う筋膜で肛門挙筋と尾骨の筋膜に付着しています。
その他、膀胱子宮靭帯、後方のに直腸膣靭帯があります。
仙骨調整の重要性が何となく分かりますね。
骨格(骨・関節)について
頭蓋骨から手足まであり身体を固定、安定、可動させています。
骨盤内外の不安定が背中の丸まりや姿勢維持を崩す原因になったりもします。
そこには筋肉、靱帯、骨格の連携が大切になってきますので関節が固まるというのは関節周辺の上記軟部組織の緊張も連動していることが多く診られます。
特に骨盤の動きを付けておくことは重要で骨盤の片方の関節が固まっていることが多く逆子や身体の不調の原因になります。
経験上逆子の施術中に骨盤の調整をして立ち上がる際にお腹が動いたと感じられた方が何人かいます。
(後日逆子が治っていたとご連絡があり心がホッとした記憶です)
余談ですが臨牀ではその患部と関連している離れた場所の緊張が診られることもあります。
そのため当院では患部以外の離れた場所に患部があるという表現をする事があります。
内臓について
内臓について今回のブログでは簡潔なご説明とさせていただき、女性器に負担が掛る原因内容をお伝えいたします。
※ちなみに内臓も筋肉であることをご理解ください。
胸郭やお腹の中にある臓器等で生きていく上で必要なものです。
ホルモンの影響や生活習慣、疲労などで骨盤が開き不安定になって来るのですが、その際にお腹のスペースが空いたところへ内臓下垂が起こります。
(妊婦時期は赤ちゃんの重みもあり)
内臓下垂が起こると次に骨盤を安定させている腹腔内の靱帯に負担を掛け子宮や卵巣の位置も下方へ圧迫させてしまいます。
この連鎖が女性化症状を引き起こす原因に繋がってくるのと姿勢も悪くなってくる要因になります。
また、妊婦時期と産後のお悩みで多いのは残尿感や尿漏れでしょうか。
ちなみに不妊の症状もこのようなことが診られることもあります。
皆さんポッコリお腹は大丈夫でしょうか。
その他ご不安になる症状として
子宮内膜症(簡潔に)
身体の不調(骨盤の不安定など)や内臓下垂が原因で月経で剥がれ落ちた子宮内膜が腹腔に落ちてしまう症状です。
骨盤の広がりによって卵管が下がると子宮内膜が逆流して腹膜に落ちてしまいます。
卵巣は子宮より上に位置することで子宮内膜の逆流を防ぐことと卵子の子宮への運搬を助けています。
不妊・子宮外妊娠
身体の不調(骨盤の不安定など)や内臓下垂が原因で子宮が下がると分泌液の流れが低下すると同時に精子の遡上も低下するため受精しにくく不妊の一因となることも考えられます。
また受精できたとしても卵管膨大部から子宮へと移動するスピードが低下しているため子宮外妊娠のリスクを高めてしまいます。
実際あった話ですが、お腹の激痛で病院へ行き子宮外妊娠と分かり片方の卵巣を摘出されてしまった人を知っています。
このようなことにならないようご注意いただけたらと思います。
排卵日痛(ついでに)
排卵は卵子を卵巣から腹腔に放出し、それを卵管采の筋肉が収縮して卵子をつかみ取り卵管へと送る動作のことを言いますが、卵管の位置が下がっていると上記しました卵巣提索や固有卵巣索が常に伸長してしまいます。さらに卵管采が収縮する際に伸長しなければならないために痛みを誘発させます。
(こちらは一例で人それぞれ他に原因があることも)
ホルモンについて
ホルモンについても今回のブログでは簡潔なご説明とさせていただき、出産前後に負担が掛る原因内容をお伝えいたします。
精神状態を安定させるものや熱を作ったり気合を入れるホルモンなどがあり、妊婦さんから産後に掛けての場合は特に変化が起こります。
妊娠出産期に掛けて有名なホルモンはエストロゲン、プロゲストロンですが、産後は特に睡眠不足になり生命に危険を及ぼす症状が出てきてあらゆるホルモンバランスを崩す危険性があります。
その誘発原因は自律神経の不調です。
自律神経とはご存じの方が多いのではないかと思いますが興奮(交感神経)とリラックス(副交感神経)があり、睡眠不足での興奮優位が様々な症状を作り出してしまいます。
それでも頑張らないといけない状況ですので、気合いを入れて頑張るわけです。
(内臓や脳内のホルモンから)
その時に頑張るホルモンが出ることで頑張れるようになり、最初は大丈夫でも疲労が蓄積してきて慢性化した症状となっていきます。
そして、その時にはいつもイライラしていたり、甘いお菓子を食べていたり、便秘になっていることが多くなっているのではないでしょうか。
こちらに関しては仕方ないこともありますが日頃の食生活や心身のコントロールとケアで少しは軽減させることが可能です。
何故可能なのかと言いますと大体の方たちに食生活の問題が診られ、そこに改善策があることが多いからです。
ちなみに『心:精神』もあり、ホルモンが関係するものと関係しない場合もあります。
ここまで『筋肉・靱帯・骨格・内臓・ホルモン』について簡潔にご説明させていただきましたが、結局のところ答えは筋肉があった方がいいの?のお答えはその通りですと言えますが筋肉だけが必要というわけではないというのが正確なお答えになるでしょうか。
以降は上記それぞれの内容をまとめてお伝えさせていただきます。
『筋肉・靱帯、骨格・(内臓)』これらはすべて大事ですが柔軟性のあるいい状態であることが理想です。
『内臓・ホルモン』の症状は上記の組織に負担が掛ったとき、もしくは同時に、もしくは先に発生機序としてみられることもあります。(何となくご理解ください)
なので全ての人に筋肉だけが大事です、とは言えないところで、施術を振り返るといつも筋肉だけの説明ではありませんでした…。
お越しいただくクライアントさんの皆さんはどこかに痛みがあり解消したい、骨盤を安定させたい、元気になりたり、理想の体型に戻したい・なりたい、育児を楽しみたい、というご希望がありますが、全て健康な状態であることが必要で、普通でいられることがとても幸せという事です。
ここで一例として妊婦さんの不調の発生順番について書かせていただきます。
(実際のところ順番は人それぞれです)
お腹が重くなると同時にホルモンの変化が出てきます。
→
動きにくくなってきて身体の緊張も出やすくなります。
→
腹式呼吸の制限が出始め呼吸も浅くなり身体の緊張を誘発させます。
→
歩き方が変わり足のある場所が硬くなってきます。
→
脚の緊張は腰や全身の緊張に繋がります。
→
次第に子宮やお腹の緊張が出てきます。
→
骨盤はホルモンの影響で開き不安定になります。
→
骨盤(下腹部)が広がり赤ちゃんや内臓が下垂します。
→
内臓の機能低下で身体に負担が出ます。
(人によっては精神の疲労も)
赤ちゃんは窮屈で居心地が悪く成長しにくくなります。
切迫早産のリスクが上がり、逆子になったりもします。
→
ママは妊娠高血圧や膀胱の症状などのリスクが上がります。
→
この時はストレスで食生活が乱れていると思います。
→
食生活が乱れることで身体の緊張、睡眠の質の低下、身体の緊張を助長します。
もちろん赤ちゃんの成長にも関わってきます。
→
急に運動を始めても良いことがないこともあり不調を助長し悩む期間が長くなります。
→
出産間近で逆子を治してください。
→
栄養素の見直しや身体の回復期間が足りず間に合わない場合が出てきます。
→
帝王切開・切迫早産で強制入院。
→
一生の傷が残ります。
→
免疫力が下がっていますのでキズの回復に時間が掛かります。
栄養素の問題がある場合はより回復が遅れます。
→
思うように動けません。
→
ストレスが溜まります。
→
楽しく育児が出来なくなります。
→
赤ちゃんへの愛情は?
ご家族やご自身の幸せな生活は?
このような流れが経験上診られ、産後数年引きずる症状となる場合もあります。
『筋肉』についてもう一言
施術家から見て筋肉はあった方がいい、とお答え致しますがやはりいい筋肉の状態がいいと思っています。
質とは過度な緊張がない、腰椎の関節などの圧迫が少ない状態で、神経がスムーズに走行している、経絡、自律神経、内臓、ホルモン、精神の不調が無くバランスよく働いている状態が筋肉の状態を安定させてくれます。
大事な骨盤周りには大小いくつもの筋肉があり骨盤を安定維持しています。
ちょっとややこしくなってしまいますが骨盤の筋肉は腰椎から出ているものもあるため腰周りの筋肉や腰椎の状態もいい方が良いです。
更に腰は手首、足首、首も関係していたり全身の連動もあるため一概に腰と骨盤だけと言えないところもあります。
(内臓・精神などもです)
ここまできてうまくまとめられたか不安になってきましたがチェック項目がたくさんあるということのご理解をいただけたらと思います。
これらが当院の施術方針でして、上記の内容すべてがとても大切と考えています。
『筋肉』についてのご質問でしたが施術家の意見をお伝えさせていただきました。
最後に、ご質問を頂いた○○さんありがとうございました。
お陰様で大変良い復習が出来ました~♪
あと少し産後矯正&回復施術を頑張りましょう~(^^;)
以上、筋肉はあった方がいい?というご質問についてでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。